ジャムパン
出会い頭に有るのはいつも希望だ
黴匂う棚の奥に埃に塗れたジャムの瓶がある
家主はパンを買う金にも困っている
だからジャムの瓶を睨んでばかりいる
風の無い部屋よ
希望がノミと槌をくれる
ここは富士山の地下深くにある洞窟だから
入魂して蝉の幼虫のように這い出さねばならない
無理解や偏狭や無関心の
冷淡や優劣の無言の壁を打ち砕き
樹海に飛び出し、
森を走り抜ける
哀れな白骨たちを尻目にして
悪魔は怠惰と疎外と失意に埋もれた私に
友のようにスイーツをくれる
神は愛の概念と試練を光の衣を着て理想美を指す
私はその光源を喰らう虫を少女と呼ぶ
しかしそれはどれも私だ
弱さを柔らかさと喩えるならば
刀の切れ味を我が身に手に入れんと人は歯ぎしりする
竹は風にささめいて笑う
富士の樹海に這い出たなら
私は木立のひっそりとした陰に立ち泣くだろう
その涙は人知れぬ湖になるだろう
黴匂う棚の奥に埃に塗れたジャムの瓶がある
家主はパンを買う金にも困っている
だからジャムの瓶を睨んでばかりいる
風の無い部屋よ
希望がノミと槌をくれる
ここは富士山の地下深くにある洞窟だから
入魂して蝉の幼虫のように這い出さねばならない
無理解や偏狭や無関心の
冷淡や優劣の無言の壁を打ち砕き
樹海に飛び出し、
森を走り抜ける
哀れな白骨たちを尻目にして
悪魔は怠惰と疎外と失意に埋もれた私に
友のようにスイーツをくれる
神は愛の概念と試練を光の衣を着て理想美を指す
私はその光源を喰らう虫を少女と呼ぶ
しかしそれはどれも私だ
弱さを柔らかさと喩えるならば
刀の切れ味を我が身に手に入れんと人は歯ぎしりする
竹は風にささめいて笑う
富士の樹海に這い出たなら
私は木立のひっそりとした陰に立ち泣くだろう
その涙は人知れぬ湖になるだろう