ポエム
[TOP]
あなたの温度
人形を抱いて人肌を思い出す季節よ
腹話術師がケタケタと笑いを作る
未来は寝たきりの君にロボットが優しいかい?

活字は美しいけれど、
君の手書きの手紙が僕は本当は欲しかったよ
喉から手が出るほど欲しかったんだ

お化粧をする女はキライかい
付け睫毛は虚飾だからこの世はたぬき女ばかりかな
虚礼廃止したらあの子の本音はきれいかな
包装紙を掛ける心は着ぶくれして
50パーセントオフセールは何か騙されている気がするよ

大切な言葉は大事に取っておくのが正しいのか
宝石箱のダイヤモンドのように
ここぞという時に身につけて?

造花を飾る都会じみた悲しみよ
ディストピアが真実じみた顔をして
誠実であるかのごとく語る息切れの灰色ストリートで
屈託や疎外や失意の石を抱く憐れなヒナたちの群れ

糞尿まみれの河に祈りと愛を注ぐビジョンと
貴族の白い手袋を買うビジョンが苦しく天秤するなら
私は手を握るあなたがほしい

素手の私が素手のあなたを信じる
そんな生きることの喜び

ほんもの、ほんもの、ほんもの、
価値があるもの、価値があるもの、価値があるもの、

牛肉を切り分けるように厳正に
これはサーロイン、これはTボーン、これは脛、
これは肩肉、テイル、

偽物の話なんかしたくない

真意を瞳からレーザービームするのだ
君も僕も

さあ、私は君のために
言葉の小石をあつめて潮騒に満ちた海を作ろう
それは今日もこんな小さな詩片の試みだ






23/03/05 00:43更新 / 湖湖



談話室



TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c