世を捨てた山の変人よ
孤独に自然を愛するのは勝手でいい
自分より弱い犬猫をかわいがり満足するのも容易い
骨董を集めて物に囲まれて安らぐのもわかる
どれもなかなかに閉鎖的で利己的だ

傷つけられたからなのか
敗北したのか

他者への愛と悦びを分け合う友愛の
人を愛してお互いを幸せにする愛の高みよ

和解し、理解し、褒めるべき時に褒め、
時にたしなめ、慰労し、助け合い、
信じあって、時を、実りを分け合う誠実な人との仲よ

ある種の愛は難しい
私は何度も挫折しては自問自答する

山脈の高みに蒼い峰が輝き、
私を手に入れてごらん、と微笑む
その峻険と美に、
私はヒマラヤに咲く蒼い芥子を思い出す

人を愛するということ
ちゃんと長く愛し合うということ
信頼にこたえ、守り合うこと
いつも同じ自分を見せること
裏切らないこと
敬意を持つこと

友達でも恋でも
通りすがりの人情でも
胸の懐中時計が歌う
時が歌うのが愛だと人は幸せになれる

チクタクチクタク
シベリアに眠るのは誰
瞼に滴る幻のぬくい雨よ
それは私の熱意の心だ

さあ、カイロのように愛猫のように太陽を抱きしめよう
暖を取り暖を移す人肌のように

その温度を温かい愛だと信じて
愛していると思うことが私を生かすだろう
この世界を
愛すべき人たちを
人生は愛する者を探す旅なのだから