我が家の愛猫のマリンくん
お口の周りが真っ黄色

どうしたのかな
と思ったら、
花瓶の百合の花粉を嗅いだみたい

花粉はなかなか落ちないぞー
と、元花屋の私が言う

ブライダルのブーケの薔薇は千の中から一輪を選ぶ
まるで伴侶選びみたいに

花粉にまみれてミツバチになるのは素敵そう
泥にまみれて陶芸家になるのもよさそう
積読の部屋で本の活字にまみれるとか
汚れたごみ屋敷にまみれる孤独な人の心とか
海に沈みこみ海藻と塩辛い水にまみれる心とか
雪まみれになって合戦するとか
まみれる、は子供由来に似ている
遊ぶことにも似ている
精一杯に似ている
酒まみれはどうだろう
仕事まみれはどうだろう
酒池肉林はどうだろう
愛まみれとか
何事も意欲やガッツがないと泳ぎ切れない
ほどほどに、ね
とは本当だろうか
中庸は正しかったか
ねえどう思う、マリン

そうですね、今計算してみます
パチパチ
パチパチパチパチ

冬のひだまりで助手の猫が黄色い鼻をして
いっしょうけんめいにそろばんを弾いています

パチパチ、パチパチ
パチパチパチパチ…