青春の一足
二十歳のころ、
惚れたかな、真の理解者かな
孤独を持てあました若者の私よ
少女は花屋でオレンジの薔薇を山盛りに買い
花束を抱えて新幹線に乗った
さながら男装の麗人だね
男に薔薇を贈る気概はそれ一度きり
赤い薔薇にしなかったのは
性愛という魔境にまだ一歩足りなかったから
友愛のオレンジ色が愛と重なって初恋は友情の色をしていた
満ち満ちて訪れたのにあなたは留守
ご両親とお姉さまが家中に薔薇を飾ってくれたよ
画家のお父さまとあなたが作ったヒノキの風呂でそっと息をした
梨園のそばの小川で泣いてそっと顔を洗ったよ
柴犬を連れたお父さまが泣く私を見て狼狽していたよ
傾斜のある野原には貧乏草が一面に白く繁茂していたよ
青春よ
惚れたかな、真の理解者かな
孤独を持てあました若者の私よ
少女は花屋でオレンジの薔薇を山盛りに買い
花束を抱えて新幹線に乗った
さながら男装の麗人だね
男に薔薇を贈る気概はそれ一度きり
赤い薔薇にしなかったのは
性愛という魔境にまだ一歩足りなかったから
友愛のオレンジ色が愛と重なって初恋は友情の色をしていた
満ち満ちて訪れたのにあなたは留守
ご両親とお姉さまが家中に薔薇を飾ってくれたよ
画家のお父さまとあなたが作ったヒノキの風呂でそっと息をした
梨園のそばの小川で泣いてそっと顔を洗ったよ
柴犬を連れたお父さまが泣く私を見て狼狽していたよ
傾斜のある野原には貧乏草が一面に白く繁茂していたよ
青春よ