生ける華
遠ざかる背に かける言葉を失っていた
私とみんなの期待と
何も知らない無垢な瞳に押されて
あなたは行ってしまった
戦場へと
無知な私でも知っている
そこが 血が舞う場所だと
命が一刺しで飛ぶような
吐き気のするほど これでもかというほど
現実のある場所だと知っている
おいかけようか おいかけまいか迷っている
あなたの目と 私の未来を天秤にかけ
決められない
私はこの程度の人間なのかと思った
あなたの悲しい背と目を忘れられない
今日も空が白んできた 雲の向こうに太陽がのぞいた
それで 私は 私の月のために そうする事を その時に決めた
これだけは変わることのないようにと 祈りながら