いままでどれだけの女に捨てられたか
女運のないおれだった
もう女で苦労するのはやめたら？
息子たちは性懲りもないおやじを
冷やかな視線で見ていた

不幸な女たちと関わってきた
なんとかしてやりたいと
なんともしてやれなかった
みんな他の男に夢を託した
バカなコキュは惨めにおかれた

姉は言ったよ
病気の女　おまにはそんなのしか
来やしない

女との出会いでいつも
おれはラストの結末を予感した
死別は諦めがつくが
生別はどこかで愛した人が
別の男に抱かれ仕合せに
暮らしていること
それでいい

いままたシナリオ通りに
破綻が用意されていた
つくづくおれは甲斐性がない
また一人になって一合の飯を炊く
それがおれなのだ