あなたをもてあますとき
精神病のあなたと暮して6 年目になる
何度あなたを捨てようかと思ったことか
別人のお嬢様に愚弄され
わたしの精神も踏みつけられても
病気病気と念じては耐えてきた
忍耐と寛容が必要だ
逃げようかと海外でも
あなたを置き去りにする
衝動を抑えた
やがてわたしを探して
子供のように泣くあなたの
不憫を思えばまたあなたへ
帰ってきた
あなたは覚えていないのだ
どんな仕打ちをしたか
悪い女が出てきての我儘な言動の
呪いの愚痴に疲れ切って
夜中にいつしか寝息をしている
あなたに毛布をかけてやる
この不眠の夜はいつまで続くのか
拷問の日々よ
あなたはひとつの課題だった
わたしの余生に抱えてしまった
難問をどう解くか
またいい人に戻ってわたしに
世話をやくやさしいあなたがいるから
朝は何事もなかったかのような
平穏な生活があって
わたしはあなたのために
また仕事に出る
地下鉄に乗って
あなたの作った弁当持って
まあいいか こんな人生も
ちょっとない
そう思い直すのだ