日曜出勤
街はヒトもクルマもいまだ眠っていた
地下鉄はがらがら
どこへ行くのか疲れ切った夜勤帰りが
ぐったりとシートに沈んでいる
この日は日曜出
みんなが休むときに働くのは
暇すぎていい
なにもすることがないけれど
留守番一人
明日は祭日で連休ならなおさらだ
誰もいない長い廊下
児童たちのいない教室の
小さな勉強机と椅子
校庭のさびしい鉄棒
ボール忘れた体育館
電話も鳴らなければ
来訪者もない
樹木の葉はみな落ちて裸
春の芽吹きを待っている
学校は先生と児童がいて
生きてくる空間だ
無人の箱の中を巡回しながら
誰かいるかと
トイレの花子さんにでも
話しかけてみる
もういいかい
まあだだよ