一人ランチ
一人の飯は不味いから
一人のときに昼飯と
一人食堂には入らない
いつしかそんな癖がつき
君とならばランチしようと
覗いて歩く裏通り
コスパがどうのと言わないが
美味しい隠れた店を探して
メーン通りから横丁へ入ると
そこは昭和の置き去りにされた
レトロな看板が並ぶ町
その日は一人雨宿り
中華料理屋の暖簾を潜り
ラーメンと半炒飯を頼んでみる
一人食べる侘びしさも
また味わいだ
君なら何を頼むだろう
湯気で曇る眼鏡拭き
新聞に目を通し
サラリーマンとずるずると
この雨いつまで降るのだろう