君はそこから出られない
君は異次元の世界に
閉じ込められている
ありえない架空の鉄柵の内側で
いつも思考は空回り
柵の後ろの出口は
いつも開いているのに
君にはそれが見えていない
統合失調症というややこしい
檻のなかでもがいては
見えない外敵に立ち向かい
ドン・キホーテのように
滑稽なんかではない
君は独りの闘いに疲れ果て
しんどい
と弱音を吐くと
どうしてわたしだけがと
悔し泪にくれるのだった
君をゲーム世界から
どうしたら救えるか
君の脳が萎縮を始めたら
差し伸べる手も届かない
それでもそのときは
君の手をとって
二人旅に出ているだろう
転地療養
それだけを信じてみよう