落葉埋葬人
いつからだろう
街がアスファルトとコンクリートで
埋めつくされ
土が見えなくなったとき
葉っぱは散って土に還れない
歩道に行き場のない枯葉たちを
わたしらは毎日掃いてゴミ袋に
いくつもの骸を集めては
ゴミ置き場に黙々と積んでゆく
さながらホロコーストの現場のように
街という自然を遠ざけた
あわれなものたちの
埋葬人になりきって
焼却炉に運ぶトラックに
載せるまで
誰かが始末をしなければ
街は動植物の遺骸の粉塵で
埋め尽くされ
リサイクルの輪は欠けた
いつまでこうした無駄なエナジーを
浪費したらいい
誰も何も考えない
終わりのない作業は続く
タンタロスの苦しみ
やるせなさは
愚かな人の掃き溜めで
永遠に繰り返されて
光合成で濃度を下げた葉を
燃やしてはまた上げる
埋葬人は
何も考えるな
ただひたすら浄めること
掃くという行と思えば