ぬくい
津軽弁と関西弁が同居する部屋では
毎日が漫才
君の関西弁から
ときたま懐かしい言葉を聞く
ぬくい
かんにん
ぼくが子供時分に聞いた
言葉に不思議な感じを受けた
いまは東京ではそうは言わない
あたたかい
ごめん
津軽でもどうだろう
若い人は言うだろうか
少し訛って
ぬぐい
かに
と言う
東北では
あたたかいものを食べたら
ぬぐだまる
と言う
津軽と京都は
北前船でつながり
古語が伝播したまま遠い
みちのくに残っている
言葉のふるさとが
君との会話でつながるとき
君とぼくの出逢いも
なにかの因縁かと思いたがる