礼拝堂を巡回して
朝に児童らの賛美歌の歌声が
していた礼拝堂に
夜に仕事の巡回では
パイプオルガンの響きもなく
十字架だけが空間を律するように
厳粛な匂いに立っている
大きなクリスマスツリーとリース
キリスト生誕の箱庭
自分の幼少の聖餐式の
浄められた礼拝が
静かな祭壇に再現されてくる
神様を信じなくなって久しく
若いときの信仰はどうしたろう
いままた人は老いて
神様のもとへ跪くか
頼ろうとするな
エデンを去った自分は
荒野が向いている
常にヨブであり続けること
頼るものなどいらないのだ
一人の行者でいればいい