ポエム
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放課後

60年前、ぼくは小学生だった。
放課後の校庭の鉄棒にぶら下がり、
一人残って逆上がりの練習を
泣きながらしていた。
クラスでぼくだけができない
悔しさに。
運動神経はどうしてか、
家族の中でも悪くて、
なにをやらせてもビリケツだ。

放課後の校庭の掃除を
いま小使いさんでしながらも
鉄棒に触れてみる。
この年でできるだろうか?
あの自分の不甲斐なさに
泣いた自分の老後は、
きっといまだに変わらない。
跳び箱もかけっこも
できないうすのろのバカと
自分の頭を叩いていた
子供が白髪でここにいる。

このなつかしい匂い!
オルガンの廊下の響き、
職員室から
最後の先生が帰るとき、
お先に!
お疲れさま!

落葉を、
過ぎた年月を掃きながら、
またここに帰ってきたなと
ゴールの白線にようよう
辿り着こうか。
19/12/04 05:53更新 / シニヤ = シネー



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