ポエム
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白い砂の幻想
真冬の稲毛海岸の砂浜に立った
白い砂が雪に見えて
どうしてと走ったら
すっかりと騙されて嗤う
それにしてもさらさらの
白い砂浜は見事に裏切った
千葉の海なのに
東京湾なのに澄んでいる

足跡は犬と人間
散歩する老夫婦
水平線遠くタンカーと
海市のようなコンビナート

思い出した
この海は初夏にあなたと来ていた
裸足になって波打ち際で遊ぶ
あなたのいとけないはしゃぎかた
あのときはこんな白砂なんかじゃなかった
貝殻も打ち寄せられていなかった
なにもかも白い
思い出の骨が粉砕されて
貝の亡骸とともに
葬られた海なのだ

あれから長い旅を持った
あなたと別々の行き方で
砂の足跡は離れてゆくばかり
海はそれから語りぐさになる
20/02/24 05:59更新 / シニヤ = シネー



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