白い砂の幻想
真冬の稲毛海岸の砂浜に立った
白い砂が雪に見えて
どうしてと走ったら
すっかりと騙されて嗤う
それにしてもさらさらの
白い砂浜は見事に裏切った
千葉の海なのに
東京湾なのに澄んでいる
足跡は犬と人間
散歩する老夫婦
水平線遠くタンカーと
海市のようなコンビナート
思い出した
この海は初夏にあなたと来ていた
裸足になって波打ち際で遊ぶ
あなたのいとけないはしゃぎかた
あのときはこんな白砂なんかじゃなかった
貝殻も打ち寄せられていなかった
なにもかも白い
思い出の骨が粉砕されて
貝の亡骸とともに
葬られた海なのだ
あれから長い旅を持った
あなたと別々の行き方で
砂の足跡は離れてゆくばかり
海はそれから語りぐさになる
白い砂が雪に見えて
どうしてと走ったら
すっかりと騙されて嗤う
それにしてもさらさらの
白い砂浜は見事に裏切った
千葉の海なのに
東京湾なのに澄んでいる
足跡は犬と人間
散歩する老夫婦
水平線遠くタンカーと
海市のようなコンビナート
思い出した
この海は初夏にあなたと来ていた
裸足になって波打ち際で遊ぶ
あなたのいとけないはしゃぎかた
あのときはこんな白砂なんかじゃなかった
貝殻も打ち寄せられていなかった
なにもかも白い
思い出の骨が粉砕されて
貝の亡骸とともに
葬られた海なのだ
あれから長い旅を持った
あなたと別々の行き方で
砂の足跡は離れてゆくばかり
海はそれから語りぐさになる