ポエム
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金曜日のよる
スーパーの閉店時間一時間前の夜
夜露でわずかに重くなった心を
電気の光が軽くしてしまう

かごを持って参加する
ほぼ終わってしまった半額戦争
残ったものは何かないかなと
歩いて見て回る

好きなほたてに貼られた半額シール
お茶とコーヒーもかごにいれて
セルフレジでピ
として家に帰ると

居間で好きな音楽だけを流しながら
バターで弱火でアルミホイルに乗せて
今度は家の
また少し違う電気の光で夜露がはらはらと
ほたてを炒める音と一緒に
部屋の空気へと剥がれて溶けてゆく

今日は夜ふかしをしよう
金曜日の夜
夜露の帳は降りて
そとは静まり返っている
24/09/06 21:34更新 / kirima



談話室



■作者メッセージ
バターだけで炒めたほたてが美味しいことに最近気づきました。ここのところ思うのは、夜が軽くなったような気がすることですね。機械が人の時間を奪っていっているのではないか、と考えています。

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