いちにち(夕方)
夕方の少し前 さぁあと走る遠くの車の音
使い古したコンロ ちゃんちゃん焼きの音の隣で
銀色のやかんが すんすんと蒸気を上げている
水蒸気はまたたく間に
窓から差し込む陽射しの中に溶けてゆき
やかんの中では水が得た熱で激しく踊り
やかんの外と出て 一秒の中を遊んでから
水蒸気はまたたく最中に
窓から差し込む陽射しの中に溶けてゆき
心を満たして
温かいお茶を淹れて
家へと帰っていく車の音を聞きながら
読みかけの本のページをめくっていく
いちにちが還ってゆき
いちにちが昇ってくる
同じいちにち 違う一日
螺旋のしん のいちにちを今日もまた
前へ歩きながらみつめている
使い古したコンロ ちゃんちゃん焼きの音の隣で
銀色のやかんが すんすんと蒸気を上げている
水蒸気はまたたく間に
窓から差し込む陽射しの中に溶けてゆき
やかんの中では水が得た熱で激しく踊り
やかんの外と出て 一秒の中を遊んでから
水蒸気はまたたく最中に
窓から差し込む陽射しの中に溶けてゆき
心を満たして
温かいお茶を淹れて
家へと帰っていく車の音を聞きながら
読みかけの本のページをめくっていく
いちにちが還ってゆき
いちにちが昇ってくる
同じいちにち 違う一日
螺旋のしん のいちにちを今日もまた
前へ歩きながらみつめている