ポエム
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Morning grow
繋いだ影の手づたいに
空の肺と血液を太陽の朝の陽射しで満たして

自転車の影に乗せて海沿いの道路を走らせていくと
虚数の1は海の細波を走る無数の魚の名前を聞いて

そこに名前はないよ
と答えずに同じ視線を細波へ向けて
朝の柔らかな細波に私の影と、影も波で洗われてゆく

帰る時にも影は待っていたので寄り道をして
物産展を見て回って、釣りをして、寝転がって
影は不思議そうに生まれては消える魚を見つめていた

緩やかな坂を登って
がたん 帰宅の合図

家には入れない影の輪郭を撫でると
近所の猫が来て寝そべってきたので

よろしくね
と言わずに猫と影を見つめてから



家の戸を開けて
その中をくぐった
24/09/24 15:06更新 / kirima



談話室



■作者メッセージ
超個人的な問題です、他意はありません

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