ポエム
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雨の花
音速から光速へ到達しシフトする時に咲く
重く重力を伴った光の花の束が
宇宙の雨足が一歩深くスイングするたびに
重低音の揺らぎを震わせて
時計の一歩を遅らせる

花の束は光の速度を保ったまま
重力に引かれたまま形を留めて
じょうごの底へと閉じていくように
その花は種となり裏の宇宙へ
同じ方向へ進む逆さまの時間へ還元される

そうしてまた時は零の雫から加速度を得て
始まりから終わりを結ぶエントロピーの
メビウスの輪の中を廻り続ける

花と咲くことも宇宙(しぜん)のはたらき
今のここも時の加速度を上げながらも
未だ緩やかに揺らぐように
時計の針は前へ進み続けている
24/09/13 21:51更新 / kirima



談話室



■作者メッセージ
天冥の標という小説を合間に読んでます。たぶんその影響だと思われます。

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