ポエム
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忘却
はじまりは
まずは遠くの方から
それは
小さきものの
羽ばたきのように

君の事は
よく知っているよ
甘い樹木の匂いの中
絡まった
銀色のスリンキーを
笑いながら
ほどいてくれたのを

君の事は
よく知っているよ
双子だった君が
鎖骨を折り
病院にも行かず
僕には
どちらが骨を折ったのか
未だにわからないんだよ

君の事は
よく知っているよ
君だけの場所に
沢山の穴が空いて
覗き込む目は
君から蒼色の時間を
吸い取り
耳を塞ぎ
壁に穴を開けたのを

君の事は
よく知っているよ
あの場所で
あの日
僕らは
会おうと
約束をしたのに
君は現れず
君の妹からの電話で
君には
2度と会えないことを
僕は知ったんだ


全て遠くなってしまった
全くもって
遠くなってしまった

あんなにも
沢山あったのに
何もかもが
遠くなってしまった

君のことも
君のことも
君のことも
そして
君のことも
忘れてしまった

忘れてしまったけど
僕はしあわせです
忘れてしまった
全てのものと
出会えて
僕はしあわせです

しあわせな僕を
忘れないでください

いや
もとい
忘れてください
21/01/01 22:44更新 / 木村キリコ



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