静かな春よ、

訪れる風は今

どこへ消えていったの

花にそよぐはずだった

かぐわしき春の訪れを

どこへ隠したの



静かな春よ、

花の影は深く

吹く風は夏の訪れを

川の流れは清涼に

虫の声は鮮明に

それでも春は咲いていた

春をありがとう



花が変わってゆく、

水が変わってゆく、



静かなる春は

春へ焦がれる人々の

一途な想いを残して

柔らかな風を吹かした

風の中に置いていった

春の訪れを

春のにおいを

確かに感じている



私は春が大好き

あなたもきっと

■作者メッセージ
いつもの半分の早さで世界を見れば、いつもと違って見えるように
いつもの半分の早さで読むと、いつもと違った詩になります