ポエム
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落書き
朝一番の図書館で

借りた恋愛小説は

恋に悩む私のことを

正しく導くと信じてた

まだ他人とばかりに

よそいきの笑顔で

彼と別れた



ページを開いて

男と女の掛け合いが

進むほどに熱く

燃えてしまった方がいい

なんて思ったりもした



けれど別れ話が

突然はじまる

昨日までの愛はどこへ

約束破って

また最初から

ページの白い余白に

俺たちみたいだね、と

恋の落書き



ああ、また一番

大切な人残して

旅立つ運命なのかな

ああ、今夜の晩御飯は

私の好きな唐揚げにしよう

ビールを注ぐグラスは一つ



返却期限は過ぎ去って

督促状の届いた日

私は家にはいない

一人電車に揺られ

誰も知らない土地まで

気ままに本を読むのさ

決まって安いメロドラマ

私にお似合いなのさ

未練を残して

旅立つ二人

エンディングはまだ遠い




新しい土地の

新しい図書館で

出会うことさえ

筋書き通りなのか

また恋に落ちて

悩むことさえも







19/09/17 21:04更新 / 喜楽一膳



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