ポエム
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蜃気楼
夏の放射線を風よ切れ

乙女の待つ浜辺に夏よ急げ



眩しい日差し

不埒な木漏れ日

今にもふらつきそうなほど

暑い夢を見る日々を

どれほど待ったんだろう



夏の影はすぐそこに

入道雲をかき分けて

地平線さえ歪むほど

いや、歪ませたいぐらいに

惑わす夏のひぐらしは

生まれる季節が来るのを待つ



道程に佇む二つの河川敷に

昼夜を問わず人の群れ

天の空に咲く大きな花に

浴衣を着た夏の乙女は

無防備なうなじを見せつける



汗の一滴さえ甘いほど

いなせな心の奥底で

胸の鼓動はせかせかしてる



孤独を演じて涙を流せ

夏に似合う花は

好きだと信じた人だけだから



18/07/12 18:12更新 / 喜楽一膳



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