ポエム
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おばあちゃんのあの本
なんでもない

吐き出したら全部溢れそうでこわいから

なんでもない って震える唇


悩みを聞けることが嬉しい

話してくれるのが嬉しい

私はできるだけ言葉を考える

他人が与える影響の小ささを知っている

他人が与える影響の大きさを知っている

だから できるだけ たくさんの

絆創膏や飴ちゃんを 渡そう

使用権は君にあるよと



ある時 漏れ出た 涙 の言葉

期待していない 

返ってくる言葉はあの本の何ページの何行目?

あの本


ちがう ちがう ちがう

わたしは文字がほしいんじゃない

わたしは心がほしかった

正解じゃなくても鋭くても歪でも

心で話してほしかったの


23/09/12 00:07更新 / ささきキヌ



談話室



■作者メッセージ
おばあちゃんのあの本

正解がかいてあるんだって

ぽいっとくうに投げる

そんなことしないけど

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