ポエム
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欲求さん
紅をさしていました。
じっとりとしたまつ毛が上向きになって私は彼の黒い眼光に捉えられました。
私はその鮮やかなことに大変心惹かれてしまったので私も紅になりたいと思ってしまいました。
私ならもっと、もっとソレよりも美しい色になれます。
ですからどうかソレを拭ってくださらないかしら。
彼の口内から内へ内へと、もっと中へいきたい。彼の血に流れて私も一緒になって泳ぎたい。ずっとぐるぐると細胞のひとつひとつを余すことなく染めてみたいと切実に思いました。


溶けて全部一個になっちゃって
私とソレとコレとあなたも何かもひとつになった
何もなくて、すべてが存在して

冷たい外に包まれて温度が溶け合う
中の中心からジワっと液が漏れて私の体と外とを区分けするところから外に流れて一個になっちゃった
23/09/10 16:25更新 / ささきキヌ



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