ポエム
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イコール的歩行
彼女、まだソレを知らなかった無知の頃。とても軽やかに、飛び回っていたに違いない。

わたしはいつも自分の足跡が変じゃないかと振り返る

一歩進む 振り返る
進んで 進み方を恥じて 誰にも見られていないか周到に確認する

その他大勢の中に紛れるような歩き方ができているのか
残した足跡は奇妙な形をしていないかと

はい、それでは今から正しい歩行の仕方を教えますからね。
まずはつま先を進みたい方向へ向かせますよ。
そしたら自分の体が地面と垂直なのを確認して、指先は力を抜いて
空を切って進みますよ。
少しだけ負荷がかかりましょうが、我慢できますね?

わたしはその途端に今までの歩き方がおかしくなかったか急に気になり出して
先生の話なんか聞けなかったのでした。

彼女、まだソレを知らなかった無知の頃。とても軽やかに、飛び回っていたに違いない。


23/09/28 23:00更新 / ささきキヌ



談話室



■作者メッセージ
久しぶりの投稿になりました。最近は言葉をかき集めるように普段話さない方と会ってみたりと、大変刺激の多い毎日です。

この詩に関してですが、わたしは姿勢があまりよくありません。なので歩いている姿が恥ずかしくてたまりません。それに最近は人生の歩き方がわからなくなりました。正解はありません。しかしどうにも右往左往する日々。そして人と同じになれない孤独や焦燥感など色々なことを考えています。

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