ポエム
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暗い部屋
暗い部屋に人が集待っている
暖炉に火が灯るのを待っている
静かにじっと
その火が灯るのを待つ瞳の奥に
金切り声が聞こえてくるくらいの
深い青に染まっている
誰かが置いてくれた毛布にも
興味を示すことはない
そのものたちは静かに
誰かが暖炉に火を灯すのを待っている

オルゴールとピアノの音が
遠く
遠く、遠くのほうで鳴っている
鈴虫のように静かなピアノたちの声は
彼らに何かを語り掛けているかのようで
ピアノの声に反応するかのように
ゆっくりと瞼を閉じるのだった

誰かが暖炉に火を灯した時には
彼らは眠ってしまったようだ
朝が来る頃には暖炉の灯は消えてしまうだろうに
25/06/07 03:56更新 / 幼い春



談話室

■作者メッセージ
六作品目になります。
暗めの詩に挑戦してみました。
いつも評価と感想ありがとうございます。
とても励みになっています。

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