ポエム
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セミの声だけが残る
玄関が空いている
枯れた虫の匂い
誰も寄り付くことのない部屋
セピアの遺影
埃の足跡

横たわる彼
もう何も語ることはなく
その彼はじっと向こうを見ている

頼ることも
助けを呼ぶこともなく
彼は孤独を選び
孤独に生きて
私たちの知らない間に
そのろうそくの火を
ふっと消していった

彼の行方は誰も知らない
25/06/19 11:01更新 / 幼い春

■作者メッセージ
13作品目です。
社会問題になっている孤独死を身近で経験しました。
誰も彼の生活を知りませんでした。
連絡も取れず興味もなく気が付けばいなくなっていました。
連絡を取っていない友人家族に残す最後の言葉は本当にそれでいいですか?

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