ポエム
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吸血
濡れたショーウィンドーは

物語っていた


生きているのか
死んでいるのか
はっきりしない世界の中で

さ迷う死人の姿──紛れもない僕の姿を映していた



そこで
ようやく気付いた
雨がいつもより冷たいことに

それは十分も経たずに
凍死してしまいそうなほどだった



僕は慌てて

傘を持たないこの身体を庇いながら

行き交う人間の喉仏を

ナイフで切り裂いた


そこから

迸る血が

噴き出す血が

堪らなく温かい



..あぁ、


人間の血は

こういう寒い時には

ちょうどいい

暖を与えてくれる



24/03/02 20:25更新 / 那須茄子



談話室



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