焦点距離
君が置いていった写真はまだ
部屋の隅で埃を被ってる
「さよなら」の一言もなかった別れは
ただ僕を突き放したかっただけかな
君だけが剥がれ落ちて舞い上がったかのよう
この頃ベランダで煙草を吸う夜も
なんだかほろ苦い
今でも君が後ろから
抱きついてくれるんじゃないかと
振り返ってしまう
まだあの柔らかな体温が残っているから
流行りの曲が流れるたび
君の姿がフラッシュバックする
そんなことあるわけないって
自分に言い聞かせては
ため息で飛び交うノイズを塗りつぶす
もう君じゃない誰かと笑える日が
いつか来ることを願うけれど
ふと隣を歩く君の幻に
手を伸ばしてしまう
離れようとすればするほど
それは鮮明にうつる
そうか
僕は焦点の内側にいる
僕の目というレンズで
ずっと虚像を見つめていた
部屋の隅で埃を被ってる
「さよなら」の一言もなかった別れは
ただ僕を突き放したかっただけかな
君だけが剥がれ落ちて舞い上がったかのよう
この頃ベランダで煙草を吸う夜も
なんだかほろ苦い
今でも君が後ろから
抱きついてくれるんじゃないかと
振り返ってしまう
まだあの柔らかな体温が残っているから
流行りの曲が流れるたび
君の姿がフラッシュバックする
そんなことあるわけないって
自分に言い聞かせては
ため息で飛び交うノイズを塗りつぶす
もう君じゃない誰かと笑える日が
いつか来ることを願うけれど
ふと隣を歩く君の幻に
手を伸ばしてしまう
離れようとすればするほど
それは鮮明にうつる
そうか
僕は焦点の内側にいる
僕の目というレンズで
ずっと虚像を見つめていた
25/10/15 13:33更新 / 那須茄子