さようならを告げるたびに
さようならを告げるたびに
街は遠ざかる
手のひらの温度を知る暇もなく
触れた記憶だけが
光の粒となり
僕の影を長く引き伸ばす
待たね、と囁いた風
頬を撫でる頃にはもう
季節は次の色をまとっている
追いすがるほどにほどける指
それでも声は心の奥に根を張る
冷えた午前二時の光が
辺りを淡く染める
ただ黙ってこの場所に留まり
しがみつくことなく
佇んでいるだけ
いつか君の夢に揺れたいと思う
きっと
ずっと先の
朝にも
君の名を口遊んでしまうから
僕は僕で
身を潜めているよ
街は遠ざかる
手のひらの温度を知る暇もなく
触れた記憶だけが
光の粒となり
僕の影を長く引き伸ばす
待たね、と囁いた風
頬を撫でる頃にはもう
季節は次の色をまとっている
追いすがるほどにほどける指
それでも声は心の奥に根を張る
冷えた午前二時の光が
辺りを淡く染める
ただ黙ってこの場所に留まり
しがみつくことなく
佇んでいるだけ
いつか君の夢に揺れたいと思う
きっと
ずっと先の
朝にも
君の名を口遊んでしまうから
僕は僕で
身を潜めているよ
25/05/03 14:59更新 / 那須茄子