ドライフラワー
綺麗に色付いていた紅葉は、冬の風に吹かれて散った。
地面いっぱいに広がる、暖色の絨毯。
そんな景色を見て、ふと、ドライフラワーを思い出した。
生花を乾燥させて、その見た目だけを楽しむ。
壁に吊るしたり、水の無い花瓶に差したり。
ハーバリウム、プリザーブドフラワーというものもある。
生花は長くとも数か月で枯れ果てるが、その名の通り生きている。
乾燥させられ、液体に満たされた花はあまり好きじゃない。
だって、生きていないから。
花は生きているからこそ美しい。
生きて、その命を燃やしながら懸命に咲く姿が美しい。
命は、永遠じゃないからこそ輝く。