海があった
津波や高潮でみんなは苦しんでいた
海はもう死なないでと言いながら
贖えない宿命にいつも囚われていた

生き物たちは住処を得ていつも感謝していた
海は心の底からうれしかった
しかしいつしか生き物たちは生きる権利を使い合って
争いが絶えなくて海はもっと寛容な環境を作りたくなったな

いつからだろう心が痛まなくなったのは
いつからだろう願いを忘れ
ただそこに在ることに満足して
死へ向かうことに安住しだしたのは

いつか海も死ぬのだろう
海はいろんな表情を見せるが
誰一人として海の気持ちは読み取れない
海は海自身の悩みを抱えながら時間の流れに今日も身を委ねている