ポエム
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マッチを灯して
火が灯り少女の命も灯る
"この火を消さないで"

すがりついた相手は裸の男
私をそっと毛布の中に招きいれた

一本また一本と
繋ぐたび温度を知る

白けを帯びた空に時を感じる

火はもちそうだ

一本また一本と繋ぐたび

離れる呼吸と
確める指先が
こそばゆい

神様はこれを夢だという
全て忘れなさいと
手を差し出すけれど
その手をとらないと知っている

夢でよかったから
夢にしてきた

ならば神様だって夢のひとつ


みつめあうこの時間もあと二本

そして一本火を紡いだ


神様の手をとるように
あなたの手をとった
神様を求めるように
あなたの名を呼んだ

あなたの悶える顔が夢ならいいのに
私も夢になれたらいいのに



あなたは神様じゃない
神様にならなくていいの


お願い
手をはなして

夢でいいから
この体温は消さないで

"この火を消して"
20/03/21 20:44更新 / 針山田



談話室



■作者メッセージ
はじめまして。

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