ポエム
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艶めく赤 鈍い赤
血より赤い紅を唇につける。
私という獣をより強く見せるために、
周りを圧倒するために。
でもその紅を付けるたびに、
私の唇の柔さをいつも思い知らされる。

いつも、いつも、気を強く持たなければと、
言い聞かせ続けてきた。
女であるがゆえに、持っている柔さと、
誰かに頼りたくなる弱さは箱庭に閉じ込めた。
そうでなければ、女という柔さはすぐに破壊される。
でも、その柔さはどこにもいかず、この箱庭にある。
どこにもいかせるものか。
柔さと弱さを鬱陶しく思うことはあるが、
女であることを後悔したことなんて一度もないし、これからも無い。

無花果より深い赤を爪に付ける。
しばらくして触るといつもの爪の固さが伝わってきた。
大丈夫。今日も私は強くあれる。

指先の艶めく赤と、唇の鈍い赤。
この赤で、私は今日も牙を研ぐ。
21/11/28 01:09更新 / うねら



談話室



■作者メッセージ
私の推しです。

そういえば髪をばっさり切りました。鏡でじっと自分の顔を見続けているとブスに見えてくるのは何なんでしょうね。良い感じにしてもらえました。

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