ポエム
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踊り子
春めく交響曲の調べにのせて、
若い踊り子は片隅で舞う、
夕闇の都会で。

踊り子が時折見せる無垢な笑顔は、
なんだかとても悲しげで、
一番星に照らされる涙。

季節はうつろいゆく。
目映い若さがダイアモンドのように光輝く一瞬、
まるで老人の思い出のよう。

老人のシニカルな、
それでいて優しい、
視線の先にある懐かしい思い出の再生。

踊り子の動線が、
テンペラ画のように固着して、
永遠に残れと望む前。

激しくなる交響曲の調べにのせて、
踊り子は青い焔に溶けてゆく、
影も残さず消えてゆく。

交響曲もやがては終わる、
夜空に花が乱舞する頃、
ゆっくり溶けてゆく、

私も。

19/01/01 23:29更新 / pomupomu



談話室



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