ポエム
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微風の中でそよそよと揺れる桜の枝の下、
草原の上にごろんとこの身を横たえてその花ばなを愛でていた。

「また、会えましたね。」

春風が雲をたなびかせるぬけるような青空を背景に、
桜の枝がかさなりあい濃淡のある薄い桃色に染め上がる瞳。

「こんなにも、新しい春です。」

花ばなや草ぐさの香りが心地よく軽くうつらうつらするけれど、
子供達の無邪気な笑い声が響きあい思わず笑顔になっていく。

「やがて、幸せの花が咲くでしょう。」

上半身を起こした先に見えるのは港町と空と共演するような海、
太陽は優しい光であらゆるものを包み込み照らしてくれる。

「そして照らされるのです。」

ゆっくりと立ち上がりまとわりついた草をはたいて、
色々な春のひとかけらの中のその1つを掴んで行く。

「迷い道の一筋を。」

月光さえも優しく今日の春を照らしだす、
雨音がざーざーと聞こえはじまるその前に。
19/01/01 23:30更新 / pomupomu



談話室



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