決別
大理石を削っていると、
愛しい我が子が現れた。
冷たくて動かない。
とっくに我が子は旅に出て、
2度と帰ってこないのに。
大理石の我が子は、
私に向かって笑っている。
涙の渦にのみ込まれても。
無垢な笑いが私の心を打つ。
その笑顔を見続けたかった。
私は大理石の我が子を、
床に投げつけて砕いた。
決別は済ませていたから。
愛しい我が子が現れた。
冷たくて動かない。
とっくに我が子は旅に出て、
2度と帰ってこないのに。
大理石の我が子は、
私に向かって笑っている。
涙の渦にのみ込まれても。
無垢な笑いが私の心を打つ。
その笑顔を見続けたかった。
私は大理石の我が子を、
床に投げつけて砕いた。
決別は済ませていたから。