ヴェール
あなたのことを前にして
言えなかったことや
とっさに思いつかなかったこと
そういう言葉のものらが
シャボン玉になって
秋の高い空に
消えてゆきます
あなたの笑顔を
まだ覚えている
ヴェールを取ったその瞬間に
確かに僕の胸はおどった
それは新しい出会いだった
だけど連絡先も聞けず
次の約束もできず
その夜は終わった
まだたくさんの
空に消えたシャボン玉を残して
あなたはとても優しい人だから
誰も傷つけたくないと思う
本当のことはいつも
ヴェールに包まれている
だから僕は察せねばならない
ヴェールの向こう側を
あなたの優しさを
無にしないために
明日の朝
事務室のドアを開けるとき
「お疲れ様です」と言おう
何事も無かったかのように
言えなかったことや
とっさに思いつかなかったこと
そういう言葉のものらが
シャボン玉になって
秋の高い空に
消えてゆきます
あなたの笑顔を
まだ覚えている
ヴェールを取ったその瞬間に
確かに僕の胸はおどった
それは新しい出会いだった
だけど連絡先も聞けず
次の約束もできず
その夜は終わった
まだたくさんの
空に消えたシャボン玉を残して
あなたはとても優しい人だから
誰も傷つけたくないと思う
本当のことはいつも
ヴェールに包まれている
だから僕は察せねばならない
ヴェールの向こう側を
あなたの優しさを
無にしないために
明日の朝
事務室のドアを開けるとき
「お疲れ様です」と言おう
何事も無かったかのように