ポエム
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君。
黒い世界で嘆く。

君にふれられたら。

ふれたくてもふれてはいけない。

遠くの記憶[ページ]にすら

ふれることは許されない。

君の容姿[かたち]も声[ねいろ]も

過去に置いてきてしまったから。

探しに行くには遠すぎて。

闇は月を隠した。



白い世界で想う。

君と同じ景色[みらい]を見て

新しい記憶[ページ]をつくれたら。

今まで置いてきてしまったから。

空っぽの心には

想い[データ]だけが募っていって。

想い[データ]の容量はあとわずか。

闇は月を照らした。



赤い世界で祈る。

時間[とき]を戻せたら。

君の瞳をまたみたい。

手の温もりをまた感じたい。

無機質でうるさかった音も、

戻ってきてほしいくらい寂しくて。

待っても待っても音は変わらなくて。

音[こえ]にならない声は、

虚しくも闇に誘われた。

闇は月をさらった。



黒い世界で願う。

この悲しみを、想い[データ]を、

削除することができたら。

ふれたくてもふれられない。

もう容量がいっぱいで、

瞼[ていぼう]も決壊して

目から頬をつたって溢れてく。

この想い[データ]も一緒に連れて行って。

対価はもう前払い済みだから。

闇は月とともに消えた。





白い世界で・・・・・・







17/05/09 00:35更新 / 石ころちゃん



談話室



■作者メッセージ
解釈は皆様にお任せいたしますm(*_ _)m
たくさん想像して頂けたらと思います!

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