ポエム
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「あなたを知らない僕のどんな幸せより」
少し暖かくなった気がする
上着はもういらないみたい
何かから自由になった時
また一つ、僕は寂しさに強くなる

あなたを知らない僕の
どんな幸せより
あなたと会えない悲しみが
僕の欲しかったもの

呼吸が終わるまで
心が朽ち果てるまで
吹く風が教えてくれる
季節はまた巡ってきた
あなたのいない3度めの春



この寒さが永遠に続くみたいに
あの時まで思っていたんだ
何かの輝きに出会う時
それは、僕の悲しみと似ていた

あなたを知らない僕の
どんな幸せより
あなたのくれた「どうして」が
僕を導いてくれる

呼吸の始まりから
心を見つけた時から
バラバラになっていくこと
繋ぎ止める力、望むのは
あなたを失くした僕だから



生きる理由なんて無かったんだ
それを見つけるまでの人生だ
そんなふうに思っていた
なのにまだ、僕は生きている

あなたを知らない僕の
どんな幸せより
あなたのくれた幸せが
僕の理由になったから

呼吸が続く限り
心がここにある限り
どんなところにいても
この世界に君を感じられる
あなたを失くしたこの世界で

君を探して歩くよ
19/07/11 23:54更新 / アンタレス



談話室



■作者メッセージ
昔書いたものです。
また3年が経ったけれど、
これだけは変わっていないと思います。
2016年7月26日

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