ポエム
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僕は恐れる
僕は恐れる
この感情を乗り越えた時
そこに僕はいるのだろうか

僕がもし、本当に無力でなくなったのなら
この身体なんて、飛び出してしまわないだろうか

このどうしようもできない感情を
取扱う事ができたなら、
この心なんて、いくらでも脱ぎ捨ててしまえるだろうか

それは無力の証明だが、
僕には、この感情は必要なものに思えてしまう

心に壁が無かったら、
例えば湖ではなく海だったら
あの思い出も、知らない岸辺に流されてしまう

心に底が無かったら、
降る雨の音はしない
その時、雨は物体から現象になる

生きることは、形を作ることだと僕は願っている
それは死ぬことが、形が失われていくことだと信じているからだ

僕の友達は、ある日突然、木の根になった
その日から僕は、その木に水をあげている

自分の両足を縛りつけて
車に両腕を轢かせて
助けを呼ぶ僕は、だけど希望を抱いている

けれど、

誰かの賞賛と
君のありがとうに
すりつぶされた僕は、木の根になった

花火が、
夜の雨に打たれて
それでも打ち上がる花火が見たいと思う

夜を昼と見分けがつかないくらい
僕に本当の空を見せてくれないか

音の無い雨で満たした
僕に本当の海を見せてくれないか








21/11/16 01:17更新 / アンタレス



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■作者メッセージ
久しぶりに詩を書きました

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