ポエム
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君はご飯が食べたい
君はご飯が食べたいだけ
新しい炊飯器、炊きたてのご飯
君はご飯が食べたいだけ
昨日は唐揚げ、今日は餃子

君はご飯が食べたいだけ
仕事でくたくたの帰り道
君はご飯が食べたいだけ
炊きたてのご飯が食べたいだけ

テレビの声は、まるで止まない雨
作り過ぎたおかず、
かと思えば腐らせたおかず、
君は今日もご飯を食べたんだね


君はご飯を食べたいだけ
得意料理はスピード炒飯
君はご飯を食べたいだけ
晩酌のツマミは芋けんぴ

君はご飯を食べたいだけ
唐辛子には負けたくない
君はご飯を食べたいだけ
食後のおやつも食べちゃおう

この生活は、まるで試験管
腰が痛くても、
ささくれに水が滲みても、
君はご飯を作ったんだね


僕は君と話したかった
君はご飯を食べたかった

僕は君を好きになった
君はご飯を食べたかった

僕は君をもっと好きになった
でも、君は誰かとご飯を食べたいだけだ

僕は君をこんなに好きなのに、
君は、ただ誰かとご飯を一緒に食べたいだけだなんて!
そう思っていた

でも違うんだ。
きっと、全部逆なんだ

君は誰かとご飯が食べたい
それだけで十分だと言った

君は誰かとご飯が食べたい
それはとても大切なこと

君は誰かとご飯が食べたい
だから僕を受け入れてくれた

君は「あなたとご飯が食べたい」と言った
僕はただ、あなたとご飯を食べた

本当はとても大切なご飯だったのに、
僕は気づかず、普通に楽しく食べた

それは君が優しいからだ
君の優しさを僕は食べた

君の作るご飯は、普通だった
普通に美味しかった

君の寂しさなんか、
ちっとも感じないくらい、
とても、とても、普通に美味しかったんだよ


君はご飯が食べたい
新しい炊飯器、炊きたてのご飯
君はご飯が食べたい
誰かと一緒にご飯が食べたい

僕は君とご飯が食べたい
だからまた、あの炒飯を作ってください
20/05/19 00:34更新 / アンタレス



談話室



■作者メッセージ
キッチンに立つ後ろ姿が、僕は大好きです。
こんな詩を読まれたら、
きっとがっかりされてしまいます。
もっと頑張ります。
(実はとても美味しいご飯でした)

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