「おやすみ」を君に
冬は寒い、指が動かない
握りしめた手は、ペンよりも冷たい
風が吹いて、肺は傷んで
囁いた声、君を振り向かせた声
オウム返しの二人
あの夢と違う、この夢を彷徨う
一人よりも怖い時間があるなんて
知らなかった幸せは
数えたら両手も要らなかった
眠りにつく前は
いつも世界とお別れしてた
だけど今日だけは
たった一人にだけ、おやすみを伝えるよ
もらった幸せは
全部、君に渡そう
枯らした花、失くした種と一緒に
もう少しだけ、その身体を温めてあげる
君が誰かを
本当に好きになれるその日までは
僕がそばにいてもいいのかな
君だけに、おやすみを言っていいのかな