ポエム
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物言わぬ舞台装置とその主
気づいた瞬間に全部消えた

デコボコしたものも
ふわふわしたものも
トゲトゲしたものも
くるくるしたものも

何もない
緩やかな傾斜があるだけだ
意味もわからない
色もない
多分必要がないからだ


正常だと思っていた思考のすべてが
どれも、これを隠すために用意されたものだと遅れて気がついた

言葉は、やっぱりここでも
ただの物言わぬ舞台装置でしかない

本当は、
ずっと、ずっと
ずっと、ずっと、ずっと前から
解り切ったことなんだ


それは、初めて虚しさを感じた日から。
それは、初めて喜びを感じた日だって。
それは、初めて自分の体温で眠りについた日から。
それは昨日、あなたと別れる前にも。
それは明日、たとえあなたから、
嬉しい返事を貰えたとしても…

変えられない

だからかな、涙が出たと思う。
それだってもう、乾いている。


聞こえてしまった
裏面は塗装されていないのに


ほら
明日は少し、涼しくなるらしいよ

だけどさ
この夜は、あまりに静か過ぎたみたい


さっきの僕は、僕に言った

「お前は独りだよ」
19/08/14 01:53更新 / アンタレス



談話室



■作者メッセージ
僕の言葉には意味がない。
全ては、代わりでしかないから。
同じものから出来ているから、同じところに還っていく。

それでも、
この何かが、伝わりますか?

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