はじめまして
割れた花瓶のかけらをかき集め
飛び散った破片と横たわった花束を
ただぼうっと見つめ物憂いでいたあの夏至
割れたガラスを集めても元に戻れはしないのに
差し込む一縷の光が少しずつ影をなす部屋で
ぼんやりと歪んだ視界に映る
割れた花瓶はまるで自分のようだ
飲んだって効かない白
ドラマチックな涙の赤
絶望を塗りつぶしたノートの黒
こんな人生のパレットで虹は描けやしない
別れ際に交わした言葉がこの人に向けた遺言で
最後に食べたスコーンがこの人との最後の晩餐で
あなたがそれに気づく時
僕はもういないでしょう
乾いた心に何を塗ったところで
何も色は残らない
乾いた心で言の葉を紡いでも
愛が何だか分からない
帰りたい誰もいない場所
邪魔されない雲でお昼寝を
差し掛かる葉月とてっぺんには欠けた月
群青の今を飛び出して悠々と青い空を飛んでいたい
知らない誰かが生まれては死んでいく輪廻のように
起きては寝るだけのまるで他人事のような日々の営みが
無常なはずの人生がただただ無情に思えて
手放そうと踏み出す一歩を全力で引き止める自分が
際立たせるまだ生きたいのだと
飛び散った破片と横たわった花束を
ただぼうっと見つめ物憂いでいたあの夏至
割れたガラスを集めても元に戻れはしないのに
差し込む一縷の光が少しずつ影をなす部屋で
ぼんやりと歪んだ視界に映る
割れた花瓶はまるで自分のようだ
飲んだって効かない白
ドラマチックな涙の赤
絶望を塗りつぶしたノートの黒
こんな人生のパレットで虹は描けやしない
別れ際に交わした言葉がこの人に向けた遺言で
最後に食べたスコーンがこの人との最後の晩餐で
あなたがそれに気づく時
僕はもういないでしょう
乾いた心に何を塗ったところで
何も色は残らない
乾いた心で言の葉を紡いでも
愛が何だか分からない
帰りたい誰もいない場所
邪魔されない雲でお昼寝を
差し掛かる葉月とてっぺんには欠けた月
群青の今を飛び出して悠々と青い空を飛んでいたい
知らない誰かが生まれては死んでいく輪廻のように
起きては寝るだけのまるで他人事のような日々の営みが
無常なはずの人生がただただ無情に思えて
手放そうと踏み出す一歩を全力で引き止める自分が
際立たせるまだ生きたいのだと
25/07/28 20:48更新 / 残滓