ポエム
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パプリカ
隣の家の柿の木から
あの日もぎとってきた君の夢
お日様のひかりがこぼれおちるよ
まぶしそうに目を細めて

どれだけ母さんに怒られたって
ゆずれないことだってあるだろう
おつかいが夕飯に間に合わなくても
寄り道で見たもののほうが大切さ

僕と君の歩みが少しずつひらいて
いつか君が遠く見えなくなっても
ふたりで拾い集めた優しさのかけらを
これから出会う人たちに分けてあげたい


町の風景はずっと前から
変わらない毎日を届けてくれる
神様の気まぐれが風にそよいで
切りたての前髪が揺れている

何度先生に呼び出されたって
諦められないことってあるだろう
テスト用紙に書いたでたらめより
片隅に書いた約束のほうが大切さ

僕の願いが君に届くころには
ふたりはもうこの町にはいないだろう
失敗も挫折もぜんぶ笑い話にして
それぞれが選んだ道を歩いていこう
19/09/06 17:26更新 / いまり



談話室



■作者メッセージ
米津玄師さんの「パプリカ」のピアノを聴きながら書きました

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