ポエム
[TOP]
つめたい夏
ああくたびれた背広で
明かりを遮って
いつから泣いていたのかな

私は確かに生きてきた
薄い灯りを心に灯して
悲しくはない
悲しくはない

(なくなる
生きやすくなる
なくなる
生きやすくなる…)

室外機の隅
ドアの埃
壁の滲み
ぬるいそよ風
海の切れ目
頬の無邪気さ
砂糖漬けの身体
純潔な目
無知な歌声
鮮やかな優しさ
確からしい心
うたかたの恋
愛のある日常
信じ合う喜び
大切な家族
大切な友達
大切な歌
なくしたいもの
ほつれた縫い目
煙たい幻影

ああ今年の夏は少し寒い
大切なものなくしたから
25/07/18 21:22更新 / 深紺



談話室

■作者メッセージ
歌にしました
https://youtu.be/MvLP8lQamtQ

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c