ポエム
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晴れない幻影
涙で冷ませよ春の陽を
頬で薄れろ春の陽よ
大人の降らす大雨を飲んでひとりで生きてます
煙草の空泳ぐ夜
声を枯らして微睡んだ
子どものままで枯れていく心のありかを隠してる
擦り傷ばかり増えてゆき
ぼやける視界でどこへ行く
夕暮れ向日葵畑は紫に
揺れる影に心ほどき
息ができない数の花
抱えて夜をひきとめたい
それが私の夢なんです
それが私の夢なんです
壁に絵の具を塗り重ね
私もさまざま夢をみた
季節だけが尚夢で
まるで私を嗤っているわ
誰と居てもひとりぼっちみたい
健康なからだを損なっていく醜さ
人から貰った傷を傷つける切なさ
涙の数だけ自分をいたぶるやるせなさ
誰かに知って欲しい時がある
でも
家族や友達にも分かりゃしないわ
小説家や音楽家にも知れないわ
精神科医にも臨床心理士にだって
誰も私のことなんて見えてないんだから!
ねえ いつになったら出られるの
いつになったら私は私だけを考えていいの?
ああ 煙立ちこめるこの幻影
美醜も憎悪も慈愛もすべて嘘
きっと私は違ってる
愛のある人生は冷たい彫刻のようね
25/06/25 22:47更新 / 深紺



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